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第9回消防設備雑学講座

皆さんこんにちは!

 

株式会社REVLIMIT、更新担当の中西です。

 

 

消防設備と環境──見えない“安全”が支える環境配慮の現場


今回は、「消防設備が環境にどのような影響を及ぼし、また環境にどう配慮されているのか」という点に焦点をあてて、解説いたします。

「火災を防ぐ設備」としての役割が大きい消防設備ですが、実は近年では**“環境にやさしい防災”**が新たなテーマになっています。


◆ 消防設備が環境に与える影響とは?

 

消防設備が環境と無関係に思われるのは、「非常時しか使わないもの」という認識があるからかもしれません。
しかし、以下のような設備や工法には日常的にも環境に影響する要素
があります。


① 消火薬剤による水質・大気汚染

 

● 粉末消火設備
古くはハロン系ガス(ハロン1301など)が使用されていましたが、これらはオゾン層破壊物質として1990年代に国際的に規制され、現在は使用禁止。

→ 現在は代替不活性ガス(CO₂、窒素、アルゴン混合)やノンハロン型薬剤が主流になっています。

● 泡消火設備
石油系火災や化学火災に有効ですが、一部の旧型薬剤には**PFAS(有機フッ素化合物)**が含まれており、土壌・水質汚染の原因となることが懸念されています。


② 設備機器の電力消費・製造負荷

 

  • 大規模施設では24時間稼働する感知器・ポンプ・制御盤類が大量に存在します。

  • 電源を必要とする設備は待機電力の削減が求められ、近年では省エネ型の火災報知器・LED誘導灯への更新が進行中。


③ 廃棄時の電子基板・有害物質

 

老朽化した火災報知設備や中継器の基板やバッテリーに含まれる鉛・水銀・カドミウムなどは、適切な分別・廃棄処理が不可欠です。


◆ 環境にやさしい消防設備とは?

 

環境配慮型消防設備とは、単に「省エネ」というだけでなく、**「日常で使わずとも、常に環境負荷が少ない」**という設計思想を持っています。


✅ 省電力化された火災報知器・LED誘導灯

 

  • 電池式・ソーラー式報知器

  • LED式の誘導灯・非常灯(旧来の蛍光灯型より電力量が1/5)

  • 自動自己診断機能付きで、無駄な点検作業・廃棄物削減


✅ 環境負荷の少ない消火薬剤の採用

 

  • ノンフロンガスCO₂・窒素・アルゴンなど自然由来ガスを使用

  • PFAS非含有の泡消火薬剤の普及

  • 水ミスト消火など、水量を大幅に抑えつつ有効な消火を可能にするシステム


✅ 環境負荷の見える化

 

  • 設備点検時にCO₂排出量・バッテリー劣化状況をログ化し、報告書に反映

  • 「環境負荷の少ない防災管理」が、建物オーナーのESG対応・SDGs評価指標に組み込まれつつあります。


◆ まとめ:消防設備は“守るだけ”ではない

 

火災や事故から命を守るだけでなく、
使わない時間も環境と共生する消防設備が、これからの標準になります。

安全と環境は対立するものではなく、「共に備える」時代へ。
消防設備も、静かに環境配慮の最前線に立っているのです。

 

次回もお楽しみに!

 

 

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