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日別アーカイブ: 2025年9月17日

第15回消防設備雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社REVLIMIT、更新担当の中西です。

 

~変遷~

 

1|創成期:手動主体から“設置すること”が価値だった時代(〜1970年代)

  • 技術:消火器・屋内消火栓・手動警報・誘導灯。

  • 運用:建物に“とにかく設置する”が主眼。点検は年次・目視中心、記録は紙台帳。

  • 課題:誤報・不作動・老朽化の把握が難しく、性能の再現性は人の勘に依存。


2|高層化・大量収容化への対応:自動化と標準化(1980〜1990年代)

  • 技術:自動火災報知設備の普及、アドレス化以前のエリア検知、スプリンクラー・泡・二酸化炭素/不活性ガス、非常放送・排煙の連動制御

  • 法規/運用:用途別の設置基準・点検報告制度が整備され、資格制度の厳格化が進む。

  • 現場:試験手順の標準化、回路図と系統表の整備が当たり前に。


3|複合施設・24時間運用:連動範囲の拡大と信頼性追求(2000年代)

  • 技術アドレス式(個別識別)受信機、早期検知系(吸引式/レーザー)、自火報・非常放送・防火戸・空調/BASとの広域連携

  • 保守:年2回の定期点検に加え、履歴・誤報分析で“止めない建物”を志向。

  • 課題:複雑化したシステムで誤連動・工事時誤作動のリスクが増加。工程計画の巧拙が品質を左右。


4|災害教訓とBCP:冗長化・耐震・停電時運用(2010年代)

  • 技術/運用:受電喪失時の非常電源・自立運転、連結送水管の実放水訓練、耐震支持・転倒防止の見直し。

  • マネジメント:BCP連動の避難シナリオ(夜間/休日/無人時)を点検や訓練に反映。

  • 現場改修優先度(生命→延焼防止→早期復旧)の考え方が浸透。


5|DXとサステナブル:データで作り、データで守る(2020年代〜)

  • IoT/遠隔:感知器の状態監視・電圧/汚れ数値化、遠隔点検の活用、受信機ログのクラウド台帳化。

  • 設計:BIM/CIMで干渉チェック・配線長・電圧降下を前倒し検証。

  • 新リスクリチウムイオン電池・BESS・EV充電、木質中大規模建築、物流倉庫の超高天井など、シナリオ型の性能設計が必要に。

  • 環境:長寿命LED・省電力受信機、薬剤・ガスの環境影響を考慮した選定。


6|タイムラインで一気に把握 ⏱️

  • 〜1970s:手動主体/“設置すること”が目的

  • 1980–90s:自動化・連動制御・標準化/資格と点検制度

  • 2000s:アドレス式・早期検知/広域連携・誤報対策

  • 2010s:BCP・耐震・停電時運用/改修優先度の明確化

  • 2020s–:DX・遠隔点検・BIM/新リスクとサステナブル


7|“いま”の主要ニーズ(発注者×管理者×施工者の共通言語)📈

  1. 安全の可視化:感知器汚れ/感度、受信機履歴、誤報の原因分類を定例化。

  2. 改修の優先順位命(避難)→延焼・煙制御→事業継続の順で計画的更改。

  3. 停電・夜間・無人時のシナリオ誰が・どこで・何分でを秒単位で設計し訓練。

  4. 連動の整合:自火報×非常放送×防火戸×空調/BASの連動表・試験記録を一枚で。

  5. データ納品:回路図・機器台帳・履歴CSV・写真をクラウドで一元化。

  6. 新リスク対応EV/PV/蓄電池・高天井倉庫・木質等に合わせ検知・消火・換気を再設計。


8|この仕事の“やりがい” 🌟

  • “鳴るべき時だけ鳴る”を実装する達成感:誤報を減らし、信頼できるシステムを育てる。

  • 設計数値が現場で再現される快感:感度・音圧・放水圧……数値で返ってくる手応え

  • 人と街を守る誇り:日々の点検・改修が重大事故を未然に防ぐと知っている。

  • チームでの一体感:設計・施工・管理・テナント・警備が一つの訓練に収束する瞬間。


9|やりがい×ニーズが交差するミニ事例 💬

  • 誤報多発フロアの要因分解(汚れ・温度差・ダクト風)→感知器種別変更で誤報80%減

  • 非常放送の音圧マップ化→スピーカー追加とゾーン再設計で可聴率100%

  • 連結送水管の放水訓練→配管詰まりを事前是正、消防隊と現場の連携向上

  • 履歴CSVの月次レビュー夜間アラーム対応工数を半減


10|“今すぐ効く”現場メモ 🧰

  1. 連動表“一枚化”:自火報→非常放送→防火戸/排煙→空調停止を矢印フローで壁貼り。

  2. 誤報は“5分類で記録”:汚れ/環境(温度・蒸気)/機器故障/施工不良/操作ミス。

  3. 点検ログの“写真3点”:装置全景→端子盤→銘板・計測値を同ページに。

  4. 停電訓練の“暗所3分”:非常電源切替→避難誘導→連絡の3分シナリオを年1回。

  5. 改修優先度マトリクス:危険度×費用×工期で四象限に並べ、短期着手を決める。

  6. テナント入替時の“火気・油・粉塵チェック”:用途変更は検知方式と連動見直しが鉄則。

  7. **BIM/平面図に“点検動線”**を赤で追記:居室の鍵・ルート・入室条件まで可視化。


11|成果が見えるKPI(目安)📊

  • 誤報率(回/月・100台)原因別割合

  • 不作動ゼロ継続日数是正リードタイム(異常検知→復旧)

  • 避難可聴率(%)スピーカー音圧の規格内率

  • 放水試験合格率(%)圧力・流量の設計値達成率

  • 点検遅延率(%)履歴CSV提出のオンタイム率

  • 改修実施率(%)(優先高案件の着手/完了)

  • 事故・労災ゼロ継続日数(施工・点検時)

大切なのは“他社比較”より自物件の基準線を上げ続けること。測る→是正→再測定のPDCAが王道です。


12|これからの潮流 🚀

  1. 遠隔点検×常時監視:汚れ・感度・電源・配線抵抗のリアルタイム化

  2. 性能設計の普及:用途・荷姿・天井高さに応じ検知/消火/排煙を個別最適。

  3. 新エネルギー・新素材対応BESS・EV・PV・木質に合わせた防火区画・換気・抑制

  4. データ連携:受信機ログ→保守BPO保険・BCPまで一気通貫。

  5. 人材のリスキリングBIM/IoT/電気通信に強い“消防DXエンジニア”の台頭。

  6. サステナブル改修:長寿命・低環境負荷機器、段階的更改で廃材とCO₂を最小化。


まとめ ✨

消防設備業は、
設置の時代 → 自動化と連動の時代 → BCPと信頼性の時代 → DXと新リスク対応の時代
へと進化してきました。
これから選ばれるのは、“鳴るべき時だけ鳴る”をデータで保証し、連動と避難まで含めて運用を設計できるチームです。

今日の一手が、明日の“守られる街”をつくります。🧯

 

 


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